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2人のグラウンドゼロ



オ トモ シヒ 氏についで、サ ラギノ 氏が展覧会に参加してくれることになった。嬉しい。氏は物書きだからテキストでの参加だ。これで、2人のグラウンド・ゼロが揃ったことになる。

オ トモ シヒ 氏は、かって「グラウンド・ゼロ」というバンドをやってました。サ ラギノ 氏はもちろん「日本ゼロ年展」そして「爆心地の芸術」を通してグラウンド・ゼロを提出しました。その後、911が発生したことで、グラウンド・ゼロという言葉はきわめてポピュラーなものに・・・。

僕にとって、911は、とにかく、ビルが、まるで櫛の歯が欠けたように、そこだけポッカリと消えた、あの映像。

あったはずのビルが無い。
なぜ消えたのか?
なぜ消去したかったのか?
そこには何があったのか。

人々は、そこに今も、何があって欲しいのか。
別の人々にとっては、何があって欲しくなかった、のか・・。

空白は、僕に、そういう感覚をもたらし続けています。

911はもちろんテロです。何かを消したかった人による消去行為のテロです。

今回、サ ラギさんは、「サ ラギさんが消したい文字」を消してテキストを書きます。オ トモさんは、「オ トモさんが消したい音(あるいは消したい弦)」を消して音を出します。

彼らが、「あったはずの言葉」と、「あったはずの音」を消すなら、それをやはり、消去行為によるテロと呼ぶことはできるでしょう。そしてもちろん、それは、「911が導いたものとは異なるもの」を導くためのテロになるはずです。

僕は・・・それはおそらく、幸せのためのささやかなテロ、のようなものになるに違いないと・・・その消去行為の先には、絶望ではなく、必ず希望があると・・・僕は信じています。

人は、さまざまなものを、消しますね。

イーブンキックは音楽から始まりと終わりを消しました。失踪や自殺のような形で自分を消したい人もいるでしょう。戸籍を消す人もいるでしょう。指紋や顔の一部を消す人もいるでしょう。ジェンダーを消す人もいるでしょう。ペニスを消す人もいるでしょう。子供を生まず精子も売れなかった僕はDNAを消してしまうのでしょう。爆破して建物を消す人もいるでしょう。

あらためて、オ トモ シヒ さんとサ ラギノ さんの2人のグラウンドゼロが、何を消さずに、何を消すのか・・消しながら書き、消しながら鳴らすのか・・

僕はとても楽しみです。

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